宮城県沿岸部のバリアフリー情報掲載にあたって

2011年に起こった東日本大震災によって引き起こされた大津波により東北沿岸部は壊滅的な被害を受けました。
多くの尊い命が失われ、たくさんの人が一瞬で生活のすべてを失ってしまいました。
この、未曽有の災害に対して、日本全国・世界中からたくさんの支援の手が差しのべられ、少しずつ復興に向けて動き出しております。しかし、まだまだ多くの沿岸部の地域では、新しいまちづくりが進んでいないのが現状です。震災から8年が過ぎた現在は、震災直後には危険区域に指定されるなど、活用方法について見通しが立たなかった沿岸部ですが、現在は「震災以前のような賑わいを取り戻したい」と、自治体、企業などが知恵を絞り、新たな商業施設、交流拠点施設などの建設が進んでおります。
 また、実際に被災された当事者の方々を中心に「今後同じような災害が起こった際に、少しでも多くの人々が命を守られるように私達には伝える義務がある」と被災当事者の方々を中心とした語り部が各地で誕生し、被害の様子を伝えるための震災遺構施設などが整備されつつあります。
 これらの施設を見学することは、東日本大震災を東北で起きた一つの出来事としてではなく、自らの問題として、地域防災について考える重要な機会となります。また、東日本大震災では、災害弱者と呼ばれる障害者、高齢者の被害は大きく、多くの福祉施設が壊滅的な被害を受けており、障害者の死亡率は住民全体の2倍という統計結果もあります。要援護者に多くの被害が出てしまった東日本大震災の状況を踏まえて、意識の高い障害当事者や障害者を取り巻く家族、施設関係者の多くが災害時の不安を訴え、自分たちの防災への対策について非常に関心を持っている方が多くおります。
 宮城県は、残念ながら被災してしまいましたが、私たちは震災から学ぶと共に、未来へとその教訓を伝える大きな役割があると考えております。
 しかしながら、その後も熊本地震、西日本豪雨災害など、日本各地で災害が続いたこともあり、「現在では東日本大震災に関する関心が薄れて来ているのではないか」「これからどんどん風化していくのではないか」という危機感も強く思っております。
私たちは、「このまま東日本大震災を風化させてはならない。もっと多くの障害当事者の方々に足を運んでもらい、東日本大震災を肌で感じてもらい、今後自分の周りに起こるかもしれない災害について防災意識を高め、日々の備えに興味、関心を持っていただきたい」また、そのことがで沿岸部に新たに誕生した宿泊施設や商業施設などをたくさんの方々が利用することでその地域の復興の一助になればと、考えております。
そのために私たちは関係団体と連携しながら障害当事者を中心として、宮城県沿岸部の震災遺構施設、慰霊施設、新たにオープンした宿泊施設、商業施設などのバリアフリー状況を調査し、その結果についてインターネットにて広く情報発信したいと考えております
 2021年には東京オリンピック・パラリンピックも行われます。多くの方々に宮城県沿岸部に足を運んでいただき、防災への関心が高まり、沿岸部の復興が進むことを願い私たちはこの活動を行います。

 

障害者の移動と社会参加を広げる会代表 藤本和敏